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理学療法士とお金~給料編~

全理学療法士向け
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なめろうです。

 

先日、「原価の倍の値段でラーメンを販売している。ぼったくり。飲食店に対しての信用がなくなった」ということに対して「何もわかっていないな」「バカなのか」と叩かれているスレをみることがありました。

私はこう思いました「理解が乏しいと、不必要な不信感を抱く上に、周りからも叩かれる。物事をある程度理解することは大切だな」と。

 

さて、前回の記事の続き 理学療法士とお金 ~給料編~について書いていきます。

 

 

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理学療法士の年収

まずは、年収の実情です。

毎年、厚生労働省が発表している令和3年分賃金構造基本統計調査では、理学療法士の平均年収は426.5万円と発表されています。

年代別に関して、グラフで表します。

 

 

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理学療法士の給料について考えてみる

前回の記事で、1人の理学療法士が年間であげる収益は約800万~1、100万円と書きました。

そして、理学療法士の平均年収は426.5万円です。

この収益と年収について考えていきます。

 

人件費と人件費率について

人件費とは・・・

会社が算出する経費のうち、職員かかる費用全般のことで、もちろん給料も人件費の内に含まれます。

人件費率とは・・・

売上高に対してどの程度の人件費がかかっているのか表す指標です。

人件費率=人件費÷売上

~人件費内訳~

  1. 所定内賃金:基本給、通勤手当、住宅手当など
  2. 所定外賃金:残業代、休日手当など
  3. 賞与
  4. 退職金
  5. 法定福利費:社会保険料や労働保険料に対して、職場側が負担する費用。額面で記載されている給料の約15%程度。ちなみに、給与明細に記載されて額面から差し引かれる社会保険料は職員が負担する費用で、企業側と従業員側合わせると約30%程度。
  6. 福利厚生費:健康診断費、慶事・弔辞の見舞金、社員旅行費など

大まかな計算ですが、年収(内訳1.~3.)×120%=人件費になります。

 

 

病院の人件費率について

人件費率の適正値は業種などによって変わるのですが、病院は人件費率が60%以上になると経営が危ないと言われます。

その理由は、病院運営上以下の支出がかかるためです。

  • 医療行為をする上で必要な医療品費(20%)
  • 食事提供や検査の委託などにかかる給食等各種委託費(6%)
  • 設備関係(7%)
  • 銀行への返済など その他諸経費(10%)

   ※( %)は売上に対する比率です。

 

つまり、病院を継続して経営、運営していくためには、売上の40%以上の支出が必要となってきます。(各支出が適正だという前提ではありますが・・・)

 

仮に

「職員満足度向上のために人件費を増やしたいから、各支出の割合を削減する」

→医療の質が低下するリスク

「非常時のためにもある程度お金を残しておきたいから、人件費を減らす」

→従業員満足度の低下や離職数が増える→それによる医療の質が低下するリスク

医療の質の低下は、収益ダウンに繋がるリスクになりますので、経営側にとって人件費率をどうするかは、かなり重要になってきます。

 

訪問看護ステーションの人件費率について

訪問看護ステーションの人件費率は、80%というデータがあります。

病院に比べ高い割合ですが、これは医療品費や設備費などの支出面が安価なことが要因のひとつに考えられます。

しかし、支出面が安価とはいえ、他産業の人件費率と比較しても80%という数値は高値です。

現に、全業種の廃業率が3.5%に対して、訪問看護ステーション廃業率は6%というデータもあるように、人件費率80%というは適正でないのかもしれません。

経営経験のないコメディカルが経営をしていることもあることが要因のひとつになっているのかもいれませんね。

 

理学療法士の収益に対する人件費率

前回の記事含め、これまでの話から

  • 理学療法士が年間であげる収益は約950万円(800万~1100万の中間値)
  • 理学療法士の平均年収は約425万円
  • 年収×120%が人件費→理学療法士の年間平均人件費は約510万円

とすると、理学療法士の人件費率は約53%(510万円÷950万円)という計算になります。

 

自身が経営する組織で、「雇っている理学療法士の人件費率は53%です」と聞いた経営者はどう思うでしょうか?

答えは「わかりません」ごめんなさい。

わかりませんが、53%という数字が高いか低いか判断する要素として、“組織内における理学療法士の力関係”がポイントになると思います。

組織内での理学療法士による収益が多かったり、理学療法士の部門を発展させよういう方針があったり、組織内の重要なポストに理学療法士が就いている場合は、組織全体の人件費の内の理学療法士による人件費割合が多くても「良し」となるでしょう。

人件費が低いと、理学療法士の満足度が下がり、組織全体への影響が大きくなるリスクがあるためです。

皆さんが勤める組織内での理学療法士の力関係はいかがでしょうか?

一度、組織図や部内の単位取得量などに目を向けてみてもいいかもしれませんね。

 

 

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まとめ

2回にわたって書いた“理学療法士とお金の話”はいかがだったでしょうか?

記事の中にある収益額や人件費率は、仮設定かつ全体的なデータかつ大まかな計算なので、「自分のところとは状況が違う」「そんなに給料もらっていない」などのご意見もあるかと思います。

ただ、数値の妥当性はさて置いて、我々の業界の収益と給料の考え方や仕組みについて、ある程度理解することはできたのではないでしょうか。

この記事を参考に、自身の収益や給料、職場状況などに目を向けてもらい、自身の働き方や現状の捉え方について考えてもらい、前向きに仕事をしてもられたら幸いです。

 

今後、違う切り口で“理学療法士とお金”について書こうかと思っているので、よろしくお願いします。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人
なめろう

バランス重視のサラリーマンPT
訪問看護ステーション勤務

全理学療法士向け
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