2回目の登場、なめろうです。
今回は、私の好きなマンガのひとつである“キングダム”に登場する武将に焦点を当てて、中間管理職像について書いていきたいと思います。
私は、マンガを通して人生観、倫理観、仕事観について考えることがあり、キングダムは軍という組織での人間模様が多く描写しているため、組織人として学ばされることが多いマンガです(もちろん、純粋にストーリーも楽しんでいます)。
キングダム世界の構図
まずは、キングダムの戦における構図を簡単な図にしてみました。戦の大小によって、将軍、〇人将の数は変わってくるので、おおよその構図として見てもらえたらと思います。
そして、
縛虎申 千人将について
今回焦点を当てたい武将は、“縛虎申(ばくこしん)”という千人将です。※上図の赤色〇人将に位置する武将です。縛虎申(ばくこしん)は、強面で、特攻好きのイカれた武将として紹介されてます。
そんなイカれ武将から学ぶことなんてあるのか。
縛虎申(ばくこしん)が描写されたシーンを一部書きながら、説明していきます。
蛇甘平原の戦いでの縛虎申
蛇甘平原の戦い序盤、総大将“麃公(ひょうこう)”将軍の命令により、縛虎申含む騎馬隊は待機し、歩兵たちのみで戦うこととなります。歩兵のみに対して敵は平地戦最強の戦車隊ということもあり、多くの兵が死んでいきます。
目の前で味方がやられているのを見ていられない別の千人将が援軍に行けるよう総大将に進言しようとするも、縛虎申は信頼する総大将の待機命令には何か意図があるとし、その千人将の進言を制止します。
その後、一部の歩兵隊が奇跡的に戦車隊を退けることができ、このタイミングでようやく騎馬隊の待機命令が解除。騎馬隊はやっと援軍に向かうことができました。
援軍としてきた縛虎申以外の千人将は次の攻撃にも対応できるよう軍の整備をしていたのですが、縛虎申は違いました。
総大将の騎馬隊援軍作戦の本意は、この場で敵を迎えうつことではなく、すぐさま目の前の丘頂上にいる敵将を討ち、大局を覆すことだと考えます。先ほどの死闘で100人程度にまで減った縛虎申隊に対して、敵は万にものぼる軍なのに。
縛虎申は、ボロボロの少人数の兵に対して、恩賞10倍にすると約束すると士気を上げ、先ほどの戦車隊での戦いで活躍した主人公“信(しん)”を先頭集団に加え、自ら先頭に立ち、丘にいる敵将を目指しました。
無謀にみえた特攻作戦でしたが、縛虎申は自らの命と引き換えに見事丘頂上の敵将を討ち取ることができました。そして、これが蛇甘平原の戦いの勝利に大きく貢献することとなります。
縛虎申は優秀な中間管理職?
さて、ここまで蛇甘平原の戦いでの縛虎申千人称の言動について説明をしました。(詳細は単行本5~7巻をご覧ください)
無茶ぶりが過ぎる縛虎申が、仮に現代社会で中間管理職をしていたら、パワハラなどで確実に訴えられていることでしょう。
ただ、パワハラ的要素を抜きにしてみると、縛虎申は有能な中間管理職だと、私は思うのです。
では、どういったところが、有能なのでしょうか。
縛虎申は病院や会社でいうと、ある部署の主任くらいの役職にあたると思います。
そのくらいの役職でありながら、自身の持ち場がリスク(自身の隊の兵を失うリスク)を負うことを顧みず、自身の働き(丘頂上の将を討ち取ること)が全体のプラス(戦の勝利)に働くという視点で軍を指揮しています。
ただ単にリスクを負うような指揮をしているのであれば、“無能”と言えますが、全体を俯瞰した上で勇敢にリスクを選択できるのは“有能”であると思います。
周りの千人将が疑問に思うような命令(目の前で歩兵が崩壊寸前なのに、待機命令)に対しても、トップ(麃公将軍)を信じて、命令に従っています。全体を俯瞰できるのも、麃公将軍への信頼があるからかもしれませんね。
組織やそのトップの理念や方針に“正解”はないですが、組織を構成する人員がその組織の理念や方針を理解し、同じ方向を向いているほど、組織としての質は高いといえます。そして、同じ方向を向くための要素として、“信頼関係”が必要になります。
さいごに
今回は、“キングダム”から学ぶ中間管理職像について書きました。
麃公将軍のような有能なトップがいる組織は多くはないかもしれません。そうなると、縛虎申のような有能な中間管理職がいても、組織としてうまくいかないかもしれません。
ですが、気付いていないだけで、無能と思っていたトップが実は有能だったということもあると思いますし、有能な中間管理職が働きかけることでトップ自身が変わることもあると思います。
自分が所属する組織を広い視点で捉えてみて、改めて自分がどう働いたらよいのかを考えてみるのも、良いかもしれませんね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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