はじめに
こんばんは、卵屋です。
今回は理学療法士同士の結婚について考えてみる。
タイトルに「理学療法士同士」としたが、理学療法士と作業療法士、理学療法士と看護師など病院や施設で務めていると近しい職種間で結婚するパターンは多い。
この記事を読んでいる方の中には理学療法士と結婚することを考えている方もいるかもしれない。
理学療法士同士で結婚した場合のメリットやデメリット、実際の働き方などを知ることで近しい職種で結婚した場合の参考にしてもらえれば幸いである。
何を隠そう、私も理学療法士と結婚した理学療法士の一人である。そしてまわりにも理学療法士同士の結婚は多い。そんな私の実体験やまわりから入ってくる情報を余すところなくお伝えし、最後に理学療法士同士の結婚はアリかナシか独断と偏見でジャッジする。
理学療法士の結婚事情
理学療法士同士の結婚は早い。
おっさんPT協会の調べによると理学療法士同士の平均結婚年齢は26歳。ちょうど26歳で結婚する。
世間の結婚年齢に比べると随分早い。
これにはいくつか理由がある。
まず理学療法士が国家資格であるという点。
いやはや国家資格というものの威力は凄い。それだけでいわゆる「ステータス」になる。
医療現場にそこそこ明るい人なら理学療法士の職場での地位、年収などある程度イメージができ決してそんな大層な資格ではないことを知っているが、何にも知らない人からすると「国家資格」、「医療系」、「リハビリ」といったワードを聞くだけでそこそこお固い職業だと勘違いしてくれる。
これは結婚を考えている理学療法士にとってはとても都合が良い。
要は相手や相手の親に理学療法士と伝えるだけで勝手に「ちゃんとした人」認定され、結婚への第1ハードルがクリア出来るという寸法である。
次になんだかんだ安定しているという点がある。この安定には給料が安定しているのと仕事が安定しているという2つの意味がある。突き詰めると収入の安定につながるのだが、あえて2段階に分ける。
理学療法士の給料は決して高くない。平均年収で約430万円(※厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査)。
他の職業に比べて決して高いとは言えない。
が、逆に言うと理学療法士をしている以上これより落ちることは基本的にはない。
理学療法士が主に働く病院、施設は医療保険や介護保険から多くのお金を得ており、理学療法士個人はそこから給料としてお金をもらう構造上、一般的な仕事(100%顧客から収益を得なければならない業態)に比べ給料は安定しやすい。
働く施設により給料の差はあるとは言え、他の業態に比べるとそのばらつきは少ないと言えるのではないだろうか。つまり理学療法士の時点である程度の収入は約束される。
とはいえもちろん患者・利用者が思うように集まらなければ法人自体が潰れることはありえる。が、そんなときでも理学療法士の資格を持っている以上再就職は容易に可能だ(今のところ)。
つまり理学療法士をしている以上、生活をするだけの最低限の収入が得られ、最悪職を失ってもすぐにまた働くことが出来る。
平たく言うなら食いっぱぐれることはない。
これも結婚相手や親を安心させる大きな材料となるだろう。
さてさて、そんな理由で結婚の早い理学療法士が理学療法士と結婚した場合どのようなメリット、デメリットがあるか見ていこう。
メリット
世帯収入がまずまず
お金の話の続き。
理学療法士の年収は全世代の平均で約430万円。結婚時期の25〜29歳では392.2万円、30〜34歳では421.5万円(※厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査)。
いわゆる昔の家庭、夫が働き妻は専業主婦という家庭を想定した場合、正直、厳しい年収である。子供がおらず夫婦二人であれば可能かもしれないが、子供がいて貯金をしていこうと思うとはっきりと無理だと言っておこう。
一方、夫婦共働きを考えてみよう。
お互い正社員で働くことを想定すると、年収はその倍、夫婦合わせて800〜850万円。そこそこあると言えるのではないだろうか。そう、夫婦共働きを想定した世帯の年収は決して低くないというのが理学療法士同士の結婚のメリットと言える。
いやいや、妻は働く前提なのかよ!家事も子供の面倒もみて、その上仕事もして収入も期待されるのかよ!
2024年、公にこんな発言をするには四方八方から石を投げつけられる覚悟がいりそうだが、事実こう考える人も少なからずいるだろう。
残念ながら答えはYESである。女性が理学療法士と結婚する以上、専業主婦などという宝くじにでも当たるような現実離れした夢は持たないことだ。私のまわりの理学療法士夫婦ももれなく共働きだ。
ん?いかんいかん、メリットの話をしているのだった。話を戻そう。
理学療法士同士の結婚を、「共働きすると世帯収入がそこそこ得られる」というメリットと捉えるか、「共働きしなければならない」というデメリットと捉えるかは人次第だが、頑張っても世帯収入を理学療法士夫婦まで上げられない家庭があるという前提に立つと、その選択が出来るという点から見て、私はメリットだと感じている。
住宅ローンが通りやすい
お金の話の延長だが、理学療法士夫婦はよほど大きな額でない限り住宅ローンは通りやすいと言える。
銀行さんも理学療法士という職業は安定していると判断してくれるのか住宅ローンはそこそこ通る。ここでも国家資格という武器が威力を発揮する。また金額によって一人では難しくても夫婦共働きだとなるとなおさらだ。
身の丈にあった額の家を選べばローンが通らないという心配は少ないと思う。(当然住む地域によると思うが。田舎具合がバレる…。)
仕事の話が出来る
夫婦円満、夫婦がうまくいくための要因の一つに「夫婦間の会話」というデータがある。
普段の何気ない会話からテレビの話、子供の話など、仲の良い夫婦での話題は事欠かない。とりわけ仕事の悩みや愚痴は鉄板ネタである。
例えば妻に仕事の愚痴を聞いてもらうとき、「今日カンファレンスで師長に嫌なことを言われてさぁ…」と話をはじめたくても、全く畑違いの仕事をしている人だと「カンファレンスとは何を目的に、どんな雰囲気で開かれているか」や「師長とはどういう存在でどれくらいの権限があるのか」などの前情報が必要で、それをいちいち説明する手間が生じる。つまり聞いて欲しい核心部分まで辿り着くまでかなり寄り道していかなければならない。
同じ仕事をしているとそのあたりの共通言語が共有出来ているためスムーズに本題に入ることが出来る。これはかなりメリットだと実感している。
おかげでうだつの上がらない上司や、要領の悪い部下、他部署のハナタレ職員の愚痴を思う存分聞いてもらえる。
夜勤がない
理学療法士をはじめとするセラピストは、同じコメディカルということで給与や労働条件などあらゆることで看護師と比べられることが多い。
が、仕事として労働条件をみたときに大きく違うところがここ。理学療法士は夜勤がない。
中には夜勤をしている施設もあると聞くが、それは理学療法士としてではなく、夜間の巡回といった施設スタッフとしての役割のようだ。
まぁ当然といえば当然。理学療法士の役割を考えたときに、夜寝ている人に運動療法を実施するなんてコントでもない限りあり得ない。
近年「生活全てがリハビリ」などという都合の良い言葉で、理学療法士も更衣や食事の介助・オムツ交換まですべきという他職種からのヘタクソな要求はあっても、流石に「夜勤に入るべき」までの要求はしてこない。そこまでいくと魂胆がバレるというところだろう。
とにもかくにも、理学療法士は夜勤がない。
これは労働者として労働条件をみながら進路を選択するときにはかなりのポイントになるのではないだろうか。
進路を選ぶときに、看護師という仕事はしたいが夜勤は嫌だ、という人は少なからずいると思う。私も夜勤は給料が倍になると言われてもやりたくない(5倍だったら考えるかも)。
夜勤をしてくれている医師の先生、看護師さん、介護士さんには心から敬意を表する。
理学療法士同士で結婚すると、基本的にお互い朝出勤して夜帰って家で一緒に過ごす、そんな規則正しい生活を送ることが出来る。
これは夫婦にとってとてもメリットだと考えている。
仕事の資料作りを手伝ってもらえる
理学療法士をしていると症例発表や学習会、場所によっては学会発表など臨床業務とは別の仕事もしなくてはならない。
え?仕事なのに家でやらなければならないの?
と思ったそこのあなた、最近のPT界の流れをみるともしかするとこの辺りは変わってくるかもしれないが、2024年2月現在は多くの職場でこのような実態があるのが事実だ(病院、特に回リハは)。
そんなとき夫婦が同じ理学療法士だとお互い協力しながら乗り越えることが出来る。
私も学習会や研修の発表を妻に聞いてもらい意見をもらうことがある。
夫婦の関係だと相手を尊重しながら、かつ、本音の意見が聞けるので紛れもなく「良客」である。実際、思ってもいない角度で質問・意見が飛んでくることもあり大変貴重な「予行演習」となる。自分にはない視点で忌憚のない意見をもらえることは大いにメリットだと感じている。
まとめ
今回は理学療法士同士が結婚した場合のメリットについて考えてみた。
個人的には「仕事の話が出来る」が最もメリットだと感じている。
ただし、これも気を付けないと…
おっとここから先は次回に。
次回はデメリットについて考えてみる。
続きの記事→理学療法士同士の結婚について考える2(デメリット)
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