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理学療法士の新人教育

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こんにちは、まめたです。

4月になり、学校には新1年生が、某有名企業には新人社員が入っている様子を、メディアを通して見かける今日この頃である。これは医療業界も同じで、理学療法士の新人が入った職場もあるかと思う。

そんな新しく入ってくる新人を10年以上みていると、教育について少し思うところもある。今回は、そんな新人に対する教育について考えたいと思う。

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日本理学療法士協会の教育制度

日本理学療法士協会には生涯教育のための制度があるが、約1年前に大きな改定がなされ、新しい生涯学習制度が運用され出した。詳しくは、『生涯学習|公益社団法人 日本理学療法士協会 (japanpt.or.jp)』をご確認いただきたいが、この生涯学習制度は、前期講習を2年間、後期講習を3年間受けることで、『登録理学療法士』なるものに位置づけが変わる。そして、5年ごとの更新制となるのである。この更新までの期間に研修などでポイントを取得することで、めでたく更新ができるという訳である。そこから、さらに上を目指したい方は、『認定理学療法士』や『専門理学療法士』といった位置づけにチャレンジする。

学習イメージ図 新生涯学習制度 前期研修(最短2年間)、後期研修(最短3年間)、登録理学療法士(5年ごとの更新制)

(上記の図は、生涯学習制度について|生涯学習|公益社団法人 日本理学療法士協会 (japanpt.or.jp)より引用)

生涯学習制度のポイントとしては、①各資格を取得・更新するための講習時間が増えたこと、②実地研修と呼ばれる登録理学療法士による教育が必要となったことである。

日本理学療法士協会に所属している理学療法士は、登録理学療法士や認定・専門理学療法士の取得・更新のハードルが上がり、これからの理学療法士生活を憂いている方もいらっしゃるかもしれないが、かく言う私もその1人である。

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当職場の新人教育

さて、話は当職場に変わるが、実は当職場にも生涯学習制度と似たような新人研修なるものが以前より実施されており、1年目の新入職員を対象に毎月1時間程度の講義が数回組まれている。更に1年目は、患者さんの疾患や重症度、キャラクターなども踏まえて、非常に丁寧な段階を踏んで患者さんを担当するような仕組みが設計がされている。

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学習制度の落とし穴

理学療法士協会にしろ、当職場の新人研修にしろ、正直なところ素晴らしい制度である。私が新人として職場を選ぶことを考えると、当職場のように教育制度が充実しているところで理学療法士のキャリアをスタートさせたいものである。

しかしその一方で、この新人への教育が当たり前の流れのようにされていることに疑問を感じる瞬間がある。

ラーニングピラミッド

ラーニングピラミッドとは、学習形態により学習の定着率を表したもになる。

このラーニングピラミッドを見てもらうとわかるように、グループ討論以下の項目において学習定着率が高いとされている。つまり、アウトプットすることで学習の定着化が進むのである。

当職場での新人研修の課題

PT協会の制度にしろ当院の教育制度にしろ、講義を聞く場面が非常に多いと感じている。知識を得ることはもちろんであるが、聴講だけでは学習はほぼ定着しないといっていいだろう。

また、新人研修は運動器疾患や脳血管疾患、循環器疾患などの疾患に対する知識だけでなく、歩行や嚥下機能のリハビリテーションといった内容も項目としてある。しかし、新人が担当する患者層とは違う疾患の講義などもあり、新人がその時にほしいタイムリーな情報が提供できていないことも課題であると考える。

新人研修の課題に対する改善策

アウトプットを増やすことがとても重要であることは伝えたが、如何にアウトプットする場を設けるかも重要である。そのためには、PT協会の生涯学習制度にある実地研修のように、講習ではなく現場での教育を実施することは有効であると考える。また、OJTにより、講習で受けた内容を臨床の場面と繋げることや、症例検討会にて様々な人とディスカッションするなども必要であると考える。OJTや症例検討会は当職場では積極的には行えておらず、大切なことなのだなと改めて感じる。特に学会発表は私のような自身のない理学療法士にとってはハードルが高いが、自身の考えをアウトプットするには絶好の機会なのだ。

まとめ

今回、新人教育をするにあたってラーニングピラミッドの考え方に則り、アウトプットの重要性を再認識した。やはり、能動的に、主体的に学習することが肝要であり、そのような場を設けることも管理職として重要な役割だと考える。

そもそも能動的、主体的に学習する人材であれば、そもそも新人研修などいらないのかもしれないが…。そう考えると、採用の際にそれが見抜けるかどうかにかかっているかもしれない…。

人材の話題は尽きない。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。

この記事を書いた人
まめた

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