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理学療法士と急性期病院と私

全理学療法士向け
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今週は、りゅうぞうが担当する。

今このブログを見てくれているあなたは、私と同じく急性期病院で働いている理学療法士だろうか、もしくはそれ以外の領域で働いているのか。もしかしたら、理学療法士ではないかもしれないし、なんなら医療従事者ですらないかもしれない。

いずれにせよ、この文章に目を通していただいたことに感謝申し上げる。

私の初めての記事になる今回は、私が理学療法士になってから十数年の付き合いになる「急性期」という領域について紹介しつつ、理学療法士として急性期で働くことについてまとめてみる。

今回の内容が急性期以外の領域にいる方や急性期に興味のある方の参考になれば幸いである。

では早速始めていこう。

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改めて考える。急性期病院とはどんなところ?

そもそも急性期病院とはどういったところかという点から述べていきたい。

急性期とは、病気やケガのなり始め、手術直後の状態などを指し、急性期病院とはこの時期の診療を行う病院である。一般的にイベントが起こってから最初に入院している施設になるが、厚生労働省の資料によると各医療領域の立ち位置に関して下記の様に示されている。

出典:地域医療構想について(厚生労働省)P.10 :一部加工して使用

 

急性期の患者は、他の時期と異なり病態が変化しやすい。その為、上記資料にもある通り、急性期に属する医療スタッフには、状態の早期安定化に向けた対応が求められる。また、その対象が重症例であることも少なくないゆえに、時として病気や手術、薬などの治療法について、専門領域を超えた幅広い知識が必要となる。

これが急性期病院で働くことの特色であると同時に、急性期病院で働く意義であると私は思っている。
また、上記資料には以下の記載もある。

出典:地域医療構想について(厚生労働省)P.12

この資料にもある通り、今日で「急性期」を標榜するためには、手術の実施やがん・脳卒中・心筋梗塞等への治療、重症患者への対応、救急医療などの実績が求められることになる。必然的に急性期で働く理学療法士の対象者も上記のような患者になる。

まとめると、
「急性期病院とは幅広い手術が実施され、がん・脳卒中・心筋梗塞への治療が行われ、時として重症患者への対応が求められる施設であり、療法士を含めたそこに属する医療スタッフには、全身管理等の各種病態に対応した適切な医療の提供が求められる。」 といえる。

このように聞くと、急性期を経験したことのない方々には、おっかなくて近寄りがたい所のように思うかもしれない。

では次に、急性期病院で働く理学療法士ってどうなのか?について経験談を踏まえつつ簡単に述べていきたい。

 

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急性期病院で働く理学療法士の実際

私自身は急性期一筋なので、他の領域についてほとんどわからないが、よく聞く急性期病院で働く理学療法士のイメージとしては以下の様な感じだろう。

  • 担当患者数が多くて色々と忙しい
  • リスクの高い患者が多い
  • 患者の状態が変化しやすい

これらのイメージについて私なりの見解を述べていく。

 

まず担当患者数が多くて忙しいについて述べる。

私の場合は、1日あたり13〜16人ぐらいを主に担当しており、ほとんどが1人1単位(20分)で診療している。その診療の合間を使って、病棟カンファレンスに参加したり、他職種との情報共有を行なっている状態だ。

他の急性期病院に比べると、比較的時間に余裕はある方だと思うが、術後トラブル等で患者の転帰が滞ると途端に担当患者が溢れてしまうため、他の領域に比べると業務負担量については不安定かもしれない。

また、単位数=患者数がほとんどのため、回復期病院と同じ単位数であったとしても、カルテ記載の数が倍以上になる。正直なところ、単位数云々よりもこれが地味にしんどい本当にしんどい。

これが新患の場合においては、カルテ記載に加えて情報収集にも余計に時間がかかるので、2.3人が重なった日には残業コース間違いなしである。

 

次にリスクの高い患者が多いについてだが、これは考え方次第だろう。

リスクの発生頻度という観点で考えると、病態が不安定な時期を診る急性期病院にはリスクの高い患者が多いと言える。
ただ、それらを前提に豊富な検査や適切な人員体制で備えているので、何か起こった時の危険度という観点であればそこまでリスクは高くないとも言える。(リスクに関するの考え方については、いつか記事にしたいと思う。)

普段から何かしら病態が変化しやすい患者を多く見ていることもあって、リスクに対して考え方が異なるかもしれない。ただし、他の領域に比べると情報収集や検査測定などでリスク管理に対して多くの時間が割かれるのは間違いないと思う。

 

最後に患者の状態が変化しやすいのはその通りである。

いい意味でも悪い意味でも患者の状態が変化しやすいのが急性期であり、それこそ1日単位で改善していくこともあれば、出勤してカルテを開くと一般病棟から集中治療室に移っているなんてザラである。

理学療法士としての視点で考えると、日々改善していく患者の様子を観察でき、実際にそこに関わることができるため、やりがいは感じやすいと思う。

ただし、この点についてはあくまでも疾患の改善に伴う要素が主であるため、急性期病院で働く上では肝に銘じておかなければいけない。さもないと、自分が全知全能の超有能理学療法士であると確信し、後輩相手に変な布教活動を始めてしまうイタイ理学療法士になってしまうリスクがある。

往往にしてそういう人間は周りから冷ややかに見られているものであるため、急性期病院で働くのであればこちらのリスク管理も徹底しておきたいものだ

まあ正直なところ、この様タイプの療法士は、急性期に限らずどの領域においても存在しているのかもしれない。実際のところ、皆様の病院や施設ではいかがだろうか。リスク管理が甘々な療法士はいないだろうか。

 

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この記事のまとめ

今回は、急性期病院で理学療法士として働くことについて様々な観点から掘り下げてみた。

養成校卒業から今日に至るまで過ごしてきた領域であるため、振り返って意識してみると興味深いと思った次第である。

今回の内容に関して、急性期病院で働く理学療法士を語る上では、まだ表層の部分にあたると思われるので、次回からは急性期病院で働くメリットやデメリット、また急性期病院での一日の流れなど、より実業務に即した深めの内容についても記事にしていきたいと考えている。

急性期病院について、少しでも興味が湧いたのであれば、次の記事もご覧いただきたい。おそらく、今回のよりは面白い内容になっているはずである。

 

それでは、今回はこの辺で!

気が乗らない月曜日であるが、今週も気張り過ぎず、ほどほどに頑張ろう!!

 

それにしても、「領域」って言葉を多用すると、何かしら「展開」せないかん気がしてくる…
(´-`).。oO

この記事を書いた人
りゅうぞう

生理学好きのギャンブラーPT
経済と投資について勉強中!!

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おっさん理学療法士はこう考える

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