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『何を言うか』ではなく、『誰が言うか』

管理職向け
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こんにちは、まめたです。

理学療法に限らず、職場では部下や後輩に仕事の依頼をする場面が少なからずあると思う。もしかしたら、仕事の何らかの不具合に対して指導をする場面もあるだろう。そんな時、皆さんが伝えたことが指導された側に届いているだろうか?私自身も伝えたはいいが、「伝わってないな」「全然納得してないな」と感じることがある。

今回はその一因になり得る3つのパワーについて考える。

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3つのパワー

①ポジションパワー(公式の力)

ポジションパワーとは、その組織における『役職』など仕事における権力であり、それによって部下を従わすことができる力と考える。

例えば、上司から「当院は1日18単位がノルマだ」と言われた際には、1日18単位を目指して業務にあたる理学療法士がほとんどかと思う。「それはしたくないです」と上司の指示に対して拒否することは通常なかなか難しい。また、上司に「来週までに○○を提出して」と指示された際、期日や内容の交渉は可能かもしれないが、指示自体を遂行しないことは通常ありえない(もちろん上司が無能ではないということは前提)。

したくなくてもすることが組織としての常だと考える。逆に、上司の指示であっても、したくない仕事はしなくて良い職場は、組織として崩壊するだろう。

②パーソナルパワー(個人の力)

パーソナルパワーとは、個人が持つ力であり、理学療法の知識や技術が優れている、診療報酬などの制度について詳しい、仕事における業務の分析や独自のアイデアを持っている、といったものがあげられる。

例えば、「患者さんのことで悩んでいるから相談してみよう」、「18単位を達成するためにチームとして工夫が必要だからアドバイスをもらおう」といったように、他者から頼られるような個人の力を持っていると考える。

また、「この人は丁寧に教えてくれる」、「いつも気にかけてくれている」といった、人柄などもこの力に該当すると考える。

③リレーショナルパワー(関係性の力)

リレーショナルパワーとは、いざという時に助けてくれる他者がいるという力のことである。

例えば、入院中の患者さんのリハビリ以外の時間の過ごし方を看護師に相談・依頼できたり、リハビリテーションの物品を購入するにあたり、すでに導入している他病院の理学療法士に相談できたり、というような関係性が多くあるとより良いと考える。

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どの力が大切か

最も大切な力

私が最も大切だと考えるのは『パーソナルパワー』である。特に課長などといった役が就くとなおさらである。部下が患者さんのリハビリのことで困っている時に、そもそもアドバイスできる知識や技術がない場合、上司への信頼は下がりがちだ。理学療法士という専門職の集団をまとめるにあたっては理学療法を深める作業は大切と考える。もちろん、管理職であれば診療報酬の知識やクレーム対応のスキルなど一般職が経験することが少ない力が身に付きやすいため、それも個の力として役立つと考える。

2番目に大切な力

次に大切だと考えるのは『リレーショナルパワー』である。仕事の範囲が広がれば広がるほど、自分の力だけではどうにもならないことや、自分の専門外の仕事に触れる機会が増えてくる。そんな時に、相談に乗ってくれたり、手伝ってくれたり、依頼できたりする関係性が多くあるということは、その人の力になり得る。人脈を築いてくおくことはとても重要である。

ただし、いざという時に助けてくれるということは、自分も相手を助けるということである。困っている時に相手を助けられる『パーソナルパワー』はやはり重要である。助けてもらってばかりでは人はいなくなる。世の中 give and take である。

使い方を考えないといけない力

最後に『ポジションパワー』であるが、この力があるに越したことはないが、権力をふりかざしてもあまり良い結果は得られないと考える。納得せずにやらされる仕事は、成果も出にくく、信頼関係は壊れるため、よっぽどの正義がない限りはお勧めしない。というか、普段の部下との会話の中などでも、意識しなくともすでにパワーバランスが働いており、それに無自覚になっていることは大変危険であると考える。

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『何を言うか』ではなく、『誰が言うか』

人に何かを伝える時に大切なのは、伝える側の普段の立ち振る舞いであると考える。普段約束を守っていない上司に、約束が守れていないことをとがめられても「お前が言うな」と内心では思われてしまうだろう。逆に、同じことを言ったとしても、普段からきっちり約束を守る上司から言われれば、納得せざるを得ないだろう。

どのような言葉を並べても、説得力に欠ける人が周囲にいないだろうか?

『何を言うか』ではなく、『誰が言うか』なのである。

「この人に言われたら仕方がない」、「この人が言うならやってみよう」と思わせるような『パワー』を普段からつけていくことが、他者へより良い影響力を与えることにつながるのである。

まとめ

今回は、3つのパワーについて説明したが、どのパワーも一朝一夕で獲得できるものではなく、日頃の積み重ねであると考える。勘違いせず、おごらず、真摯に日々を積み重ねていきたいものである。

ただし、その一方で『伝え方』というのも本当に大切だと感じる。『伝え方』により人の捉え方は大きく変わる。そんな話も機会があれば今後させていただきたい。

この記事を書いた人
まめた

悩める中間管理職
外来勤務

管理職向け
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おっさん理学療法士はこう考える

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