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介護予防教室を無難に成功させるポイント

若手向け
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こんにちは、まめたです。

高齢者の割合が増加傾向にある中、地域包括ケアシステムの醸成に向け、予防事業にも職域を拡げつつある理学療法士業界。今回はそんな予防事業の1つである介護予防教室について書いていきたい。とはいえ、大層な物事について論じるつもりは全くなく、介護予防教室が無事成功するために、私が日頃、注意しているポイントについて記載していきたい。

ちなみに介護予防教室によっては何年も関わり続けるようなこともあるが、今回は1回のみ依頼があったことを想定している。

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介護予防教室に行く時の心構え

私は普段から生活期の患者さんと関わる機会が多い。理学療法士に限らず、医療職でたまに見受けられるのが患者さんに対して、上から言葉を発している人がいるという事実である。私の個人的な考えとして、医療職はサービス業の側面があると考えており、介護予防教室に行く際の心構えとして、『依頼していただいた』という謙虚な気持ちが必要である。

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介護予防教室で押さえておきたいポイント

15分前までには会場に到着しておく

参加者が集まってくるのは、経験上10分前ぐらいからが最も多い。高齢者の方は30分前に到着されている方もいるようであるがそこに合わせるのは正直きつい。しかし、だいたいの参加者が集まってくる15分前に到着しておくことで、当日の参加者の歩行や動作レベルを観察しておくのである。そうすることで、予め想定していた運動のレベルが低かったり、高かったりした時の修正ができるのである。

小話を入れる

自己紹介をすることはもちろんであるが、いきなり運動を始めるよりは、トピックス的な話題を取り入れることで、興味を持ってもらえると考える。

夏であれば熱中症の予防のために必要なことを2、3分程度で話しても良いかもしれない。それと関連付けて、途中で休憩の際に水分摂取を促すとより良い。

簡易な評価を行う

また、介護予防教室で実施するテーマを『転倒予防』とした時には、転倒予防についての話だけではなく、例えば『5回椅子立ち上がりテスト』など、その場で簡易にできる評価を行ってもらい、自身の転倒リスクについて知っていただくことも、参加者の明日を変えるきっかけとなる可能性がある。

準備運動を入れる

介護予防教室の失敗は、運動が物足りなかった訳でもなく、小話がおもしろくなかった訳でもなく、ケガなど身体状況を悪化させてしまったことであると考える。そのため、ストレッチなど準備運動はもちろんのこと、「無理のない範囲で行って下さい」「痛かったらしなくて良いですよ」などの声かけを適宜行うことも重要である。

運動はできるだけ2パターン準備する

参加者の運動能力の差により、運動によっては全員が平等にできないことがあり得る。そのため、大腿四頭筋の筋力強化を狙って運動のプログラムを組む場合は、①スクワット、②座位での膝の伸展(会場に椅子がある前提)、といった2パターンの運動を準備することで、運動に意図せず参加しない人を無くすことができる。

ちなみに、スクワットも膝の伸展運動も「1・2・3・4・5・6・7・8」で曲げ伸ばしを完結させるようなスロートレーニングを参加者にも声を出していただいて実施することで、同じタイミングででき、負荷もかかるため、一体感が得られると考える。

さらに、「スクワットなんて余裕でできます」なんて方がいらっしゃったら、オプションとして片脚でのスクワットもチャレンジしていただいても良いかもしれない。その際は、転倒しないよう椅子の背もたれを持つなどの工夫が必要と考える。

最後に2重課題を入れる

2重課題とは、『足踏みをしながら、左右の手を非対称性にグーパーする』、『足踏みしながら計算をする』など、何かをしながら別のことを並行して行うことを指し、2重課題の能力が低下すると転倒のリスクが高くなることが言われている。そのため、2重課題を介護予防教室にて実施することについては問題ないと思われる。しかし、私が2重課題を入れるポイントは転倒リスクを下げるためもあるが、別の意図もある。

高齢者は2重課題が苦手である。そのため、大抵の高齢者は動きがぐちゃぐちゃになってしまう。そこで、うまくできていないことを柔らかくお伝えすることでいったん場が和むことが多い。2回目は「できなくても良いから、やろうとすることが大事ですよ」と肯定的な声かけをすると、皆さんは一生懸命、最後までぐちゃぐちゃでもいいので必死についていこうしてくれることが多い。そして、最後までやり通した後は、参加者同士で称え合うために、全員で拍手をする。そうすることで、全員で頑張ったという一体感を持つことができる。そのために、”最後に”実施することでいい雰囲気で全体を終えることができるのである。

声かけは小まめに行う

また、サービス業という側面から、介護予防教室に参加してよかったと思っていただくためにも、体操を淡々と進めていくのではなく、「あと○回です」「もう少しだけ頑張りましょう」などの励ますような声かけや、「今の姿勢良かったですよ」「最後までよく頑張りましたね」など褒めるような声かけをすることが、満足していただくポイントと考える。

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まとめ

介護予防教室は理学療法士が地域に出る良いきっかけの1つと考える。しかし、そこでうまくできなかった場合は、所属施設の評判悪化や理学療法士という職種全体のイメージダウンにもつながりかねない。そのため、初めていくような介護予防教室などは、無難に成功させ、そこの参加者の雰囲気を掴むことが重要である(もちろん事前に困りごとやテーマなどを依頼者と確認できるのであればそれにこしたことはないが、聞いていた話と実際の現場では違うことがよくある)。そこで、うまくいけば「もう一度頼んでみよう」と次の依頼につながることがある(その際は、大いに実力を奮っていただきたい)。

そのようにして、地域の高齢者に自分たちのことを知っていただくきっかけになれば、自身や所属施設の価値は上がるだろう。今回の記事がそのきっかけになれば幸いである。

 

 

 

この記事を書いた人
まめた

悩める中間管理職
外来勤務

若手向け
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おっさん理学療法士はこう考える

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