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転職する理学療法士の心得1(面接)

全理学療法士向け
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こんばんは、卵屋です。

今回は転職する理学療法士が心得ておくべきことについて書く。

理学療法士は転職が多い。私のまわりもほとんど一度は転職している。初めて就職した職場でずっと居続ける理学療法士は実は少ないのである。

かくいう私も転職経験者だ。

そして転職したときに今回書くようなことを知らずに随分と苦労をした。若気の至りというやつだ。

これから転職を経験する諸君は、是非私の失敗を糧に素敵な転職ライフを送ってくれたまえ。

※今回は「理学療法士としての転職」に限定する。まったくの他業種への転職は私も経験がないので、とにかく頑張れバカヤローとしか言えない。頑張れバカヤロー!!

 

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就職面接で見られるところ

転職するには就職試験を乗り越えなければならない。

そして、理学療法士の就職試験はほとんどが「面接」である。

では、就職面接を受けるにあたっての心得とは?

当然、受ける病院・施設によって評価基準は様々であることは言うまでもない。

今回は少なからず採用に関わった経験のある私が評価ポイントの大枠をお伝えする。

 

コミュニケーション能力

理学療法士として、というより社会人として最も必要な能力、それは「コミュニケーション能力」である。仕事をする上で他者との関わりは避けられずどんな仕事であってもコミュニケーションを求められる。

特に理学療法士という仕事は職業柄、患者さんと関わる。さらに他スタッフとのコミュニケーションも必須である。そこへ来てコミュニケーションが苦手となれば致命的である。

さて、では面接でコミュニケーション能力を測るにはどうすればよいのか?面接を受ける身としてはどう対策すればよいのか?

はっきり言おう、コミュニケーション能力を測る客観的な指標はない。

そう、「面接官の直感」である。

表情や視線、声のトーン、言葉の滑らかさ、相槌の頻度・タイミング、間の取り方、など意識的にしろ無意識的にしろ志願者から発せられる全てのふるまいを総合的に評価している。「なんとなく」コミュニケーションが取れる人かどうかを評価している。

当然、就職試験は緊張する場なので普段と違うことも想定済み、その緊張も込みで普段はこんな感じだろうと予測しながら評価している。

そして、その評価が当たるか当たらないかはぶっちゃけ分からない。正直言ってそんなものである。

が、採用においてここが最も大事なのも事実。

実際、その評価を誤ったがための「失敗」もたくさん見てきた。合格の判断を下した科長から「お前の直感を信じれば良かった…」と言われたこともある。

「人間、コミュニケーション能力が全て」と言っても言い過ぎではない(いやホント)。

 

では、受ける身としてはどうすればよいのか?

何の根拠もない私の独断と偏見だが、ずばり「上手に相槌を打つ」ことをおススメする。

面接中に面接官側が説明したり質問したりしているときに、なんの反応もない、聞いている様子がない、など会話している感がないと、「ん?この人なんか変だ…」と思われてしまう。

逆にあまりに大げさに相槌を打ちすぎると「なんかウソくさい」「ポイントを稼ぎにきている」と思われてしまう。

誇張しすぎず、適度な頻度で、適度な動きで、緊張も演出しながら相槌を打つことで「真面目」で「誠実」な印象を与えること間違いなし。就職後に患者さんやスタッフともうまく会話している絵がイメージが出来る。

このように、就職面接では相手の話に合わせて相槌を打つことをおススメする。

 

謙虚さ

これはかなり日本人的な発想だが、日本人は謙虚な人が好きな人種だ。

「前職では学会発表を何度もしました!(ドヤっ!)」
「リーダーとしてチームをまとめていました!(ドヤっ!)」
「就職した暁には新人教育は任せてください!(ドヤっ!)」

もちろん、就職面接の場なのでアピールすることは大事だ。

が、聞かれていないのに自身の実績や今後の展望について堂々とアピールすることは基本的には辞めた方がいい。

それだけで、自信家で、プライドが高くて、周囲と揉め事を起こしそう、と思われてしまう。

採用者側は当然「仕事の出来る優秀な職員を採用したい」が、それよりももっともっと根本に「職場に不和を起こさない人をとりたい」という大前提を置いている。

ここで大事なのは、言い方、アピールの仕方を工夫すること。

対策は2つ。

➀求められたときのみに答える
➁クッション言葉の活用

面接が進んでいくと面接官から「何かアピールすることはありますか?」や「前職では現場の業務以外で何か取り組まれたことはありましたか?」といった絶好の質問を受けることがある。そのときまでは待つ。

聞かれていないのに自分から「〇〇していました!」「私は神です!」などと言うんじゃない!

ここぞというときまで無駄に自分大きく見せようとするな!先に面接官が見るのは「揉め事をおこさない人」かどうかだぞ!耐えて、耐えて、ようやく質問が来た!さあ行け!

でもここでも気をつけろ!ただただ、
「学会発表していました(ドヤっ!)」
「リーダーでチームをまとめていました(ドヤっ!)」
は危険だ!トラップに引っ掛かるな!

こういうときは上手く「クッション言葉」を使うことをおススメする。

「アピールになるかどうか分かりませんが…」
「あまり自分で言うことではないかもしれませんが…」
「お恥ずかしいですが…」

内心でどんなにドヤっていても、これらの言葉を付けるだけで、相手は「この人は自分の実績をむやみやたらに誇示しない人だな」と思ってくれる。かつ、アピールの内容が凄ければ凄いほどその実績もきちんと評価される。

採用側の大前提にある「職場に不和を起こさない人」をクリアした上で、さらに「能力も高い人」と評価されるという寸法である。

これを使わない手はない。

自身の実績をアピールするときは、ぜひ「クッション言葉」を活用してくれたまえ。

 

仕事に対する熱意

これは前述の「謙虚さ」とやや相反する部分かもしれないが、なんだかんだ言って仕事(ここでは理学療法士)としての熱意や情熱は必要だ。そこも当然測っている。

特に中途入職だと、普段から勉強はしているのか、理学療法に興味を持っているのか、患者さんの気持ちに寄り添うマインドはあるのかなど、理学療法士として「熱い気持ち」を持った人かどうかは気になる部分である。

要は「お金稼ぎのためだけに理学療法を利用している人なのかどうか」を見ている。

いくら謙虚でコミュニケーション能力が高くても「理学療法を真面目にやる気はありませんよ」が見え隠れすると採用側も二の足を踏んでしまう。

なぜなら患者さんとトラブルを起こしそうだから。あるいは、真面目な職員と衝突しそうだから。あとはなんか不快だから(これは採用者のマインドによるかも)。

理学療法士として働く以上、その仕事に熱意があって、理学療法士として患者さんから信頼される度量のある人かどうかは大事だ。

コミュニケーション能力が高くて、場面場面起用に対処できても根底にこの気持ちがないと患者さん達はたやすく見抜く。まわりの職員も(いつかは)分かる。人間どれだけ取り繕っても、ちょっとした仕草や言動に根底の気持ちが出てしまう。それが積み重なるといずれはトラブルや職員との不和につながる。

何も自分の人生を全て犠牲にして理学療法に捧げろなどと言うつもりはない。

少なくともこの仕事を選んだ以上、目の前の患者さんの生活を良くするにはどうすればよいかを考え、調べて、勉強して、悩む…、人によって程度の差こそあれ、そういう姿勢はやはり必要だ。

少々自分優位な考えで書いているかもしれないが、全ての理学療法士がそういうマインドであることを切に願う今日この頃である。

 

さてさて、じゃあ対策はどうすればよいのか?

正直なところ、そういう気持ちがまったくない人が転職を考えているのなら今すぐ理学療法士を辞めて違う道に進んで欲しい、と思っている。その方が社会のためになるし理学療法界にとってもプラスになる。

が、ここではその熱意はあるが表現するのが苦手な人に向けて対処法を伝えよう。

そして、これは「やった方がいいこと」というよりは「やらない方がいいこと」になる。

ずばり、「条件面のことをストレートにズバズバ聞きすぎる」ことである。

給料は?
ボーナスは?
昇給は?
休みの取りやすさは?

正直、労働者にとって一番気になるところである。それを聞くなって舐めてるの?条件を聞いたら嫌がられるってそんなところこっちから願い下げだわ!

うんうん、分かるよ。ここで言いたいのは「聞き方を工夫した方がよい」ということ。

ここでもクッション言葉を活用することと、バランスをとることが重要。

「昨年のボーナスの実績はいくらでしょうか?」
「昇給はどれくらいなのでしょうか?」
「休みは取りやすいでしょうか?」

とストレートに聞くよりも、

「長く働きたいと思っているので確認させていただくのですが、」
「こんなことを聞いて良いのかわからないのですが、」

など、「当たり前に答えてもらえるとは思っていませんが」感を出すことで採用側も「いや、全然聞いてもらっていいですよ」という感情になる。(いや、当たり前に答えてもらう必要があるんだが。)

また、面接官の「また、何か質問はありますか?」という質問に、いの一番に「休みは…」と聞いたり、次々に「ボーナスは…」「昇給は…」と条件面のことばかり質問すると、採用側は「あーこいつは、お金稼ぎに主軸を置いているな」という印象を与えてしまう(お金稼ぎに主軸を置いて当然なのだが)。

先述の通り、この業界は比較的高めに「仕事への熱意」という点を評価する(実際、私もそうだ)。

つまり採用側は、条件面のことばかりを聞かれるよりも、

「科内で勉強会はありますか?」
「患者さんの層はどのような感じでしょうか?」
「スタッフ間でこまめに情報交換する雰囲気はありますか?」

など、真面目に仕事を頑張ります!感のある質問の方が好印象を持ちやすい。

その中にクッション言葉を利用して条件面確認も織り交ぜていくと、あまり「金稼ぎ金稼ぎしてるな」と思われない。

仕事の条件を確認する際は、仕事への熱意もバランスよく見せながらするのがベターなのである。

 

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まとめ

今回は転職する理学療法士の面接での心得について書いた。

面接時にみられるポイントとして

  1. コミュニケーション能力
  2. 謙虚さ
  3. 仕事に対する熱意

の3点を挙げた。

いやいやウソつけ、正直なところ「面接官との相性」や「病院(施設)が採用にどれだけ切羽詰まっているか」次第でしょう、短い面接時間で評価できることなんて限られているし結局運ゲーじゃん……うむ、まったくその通りである。

極論言ってしまえばどんな面接の仕方をしても受かるときは受かるし落ちるときは落ちる。理学療法士の就職面接なんてそんなもんである。

が!とは言え、少しでも確率を上げる工夫はやっておいて損はなかろう。

少しでも転職を考えている理学療法士たちの参考になれば幸いである。

今回はここまで。

この記事を書いた人
卵屋

ブログ管理人、投稿者。
おっさん。回復期病棟で働く理学療法士。

普段から仕事や日常の出来事について熱く語り合っているおっさん達で「せっかくだから自分たちの考えを世の中に発信していこうぜ」とブログをはじめました。
おっさん達の発信が誰かの役に立てば幸いです。
よろしくお願いします。

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