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モチベーションを左右する環境とは?

管理職向け
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こんにちは。まめたです。

私の仕事上の役割は中間管理職である。つまり部下(以下、スタッフ)がいる。

世の中には外発的動機付けで動くタイプの方が多いのではないかと主観では感じている。実際、スタッフと関わる中でも、人の身体や理学療法そのものに興味があり、それを日々探求するようなスタッフは少ないのが現状である。

外発的動機付けタイプが継続するためには?』で「私は“どちらかというと”外発的動機付けで動くタイプである」と記載した。これは何も、私が筋肉の機能解剖や呼吸・循環の生理学などを勉強することがイヤでイヤで仕方がないという訳ではないからである。その時によっては意欲を持って勉強に取り組むことももちろんある。人間、白黒はっきりしていることは少なく、グレーであることが多い。このグレーの色の濃さが重要なのかもしれない。

今回は、そんなモチベーションを左右しうる環境について考えていきたい。

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マズローの5段階欲求について

では、どのような環境がモチベーションを左右するのか?

私は以前より『マズローの欲求5段階説』を基に、考えることが多い。

これはアメリカの心理学者であるアブラハム・マズローが提唱した説である。

詳細は他の文献を参考にしていただきたいが、人間には5段階の欲求があり、最下層にある欲求から満たしていくことで徐々にその上層にある欲求が満たされていくという考え方であると私は解釈している。

これらの欲求について下層より考えていく。

生理的欲求と安全欲求

生理的欲求とは、睡眠欲や食欲などの欲求であり、安全欲求とは心身ともに健康で経済的にも安定したいという欲求であると私は解釈している。これらは社会生活を送る上で基盤となる要素であるが、管理職という立場でスタッフと関わる時に感じるのは、意外と見過ごされがちな部分であるということである。

以下では、”痛み”と”お金”を中心に考えていこうと思う。
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スタッフが抱える痛み

身体の不調

私がスタッフとの関わりでよく経験するのが、「慢性的に腰痛をかかえているため腰のサポーターをつけて仕事をしている」、「頭痛持ちのため、服薬しながら仕事をしている」、「生理痛がひどく、服薬しているが十分ではない」など身体の痛みについてである。

身体の不調を抱えながら仕事をするということはかなりの負荷になる。そして、仕事で過剰な負荷がかかった状態では、家に帰って患者さんの理学療法について勉強しようなどというモチベーションは湧きにくい。このような要素があるとするならば、できるだけそれを取り除くためのアプローチをする必要がある。

私の場合、スタッフに身体の不調がある場合は受診を促し、理学療法で対応可能な場合は医師に指示を出してもらう。「意外と」と言っては何だが、理学療法士でも自分の身体に対して関心がないスタッフも多いと感じる。

女性特有の痛み

女性スタッフが生理痛など女性特有の痛みを抱えている場合は、私がその女性スタッフと関わることになった時点で、予めそのような話題に私が触れて良いかを確認する。その女性スタッフによっては他に女性スタッフを1人立て、そのような悩みはその女性スタッフに相談するようにしている。そして、私の職場には幸いなことにウィメンズヘルスチームがあり、とても相談しやすい環境になっている。このウィメンズヘルスチームは女性のケアだけでなく、職場全体への啓蒙活動もしてくれており、女性の働き方に対する男性の理解も比較的高い方ではないかと感じている。

子育て世代のワークライフバランス

その他にも、子育て中のスタッフであれば、自宅に帰ってからは育児をしながらの家事が待っており、それはもう「患者さんのために勉強しろ」という方が酷であろう。(もちろん患者さんへの不利益がない程度の理学療法が実施できているというのが前提ではあるが。)それは、患者さんへの思いを人質にとった「思いやりの搾取」である。仕事と子育てを両立しているだけで素晴らしい。私はそういう時期があってもいいのではないかと思う。

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理学療法士の給与

そして、ここで外せないのがお金についてである。

「これだけ働いてこの金額か」という思いをしたことがあるのは私だけなのかもしれないが、往々にして出てくる話題であると感じている。自分が行った仕事の成果に対する対価が適正に支払われていないとスタッフが感じているのであれば、その時点でスタッフのモチベーションは大いに下がるであろうことが想像される。もちろん、その職場を選んだのは本人であり、選んだ職場と合わなければ辞めればいいという考えもあるかとは思うが。

特に、管理職になれば役職手当が付くなど金額面での多少の優遇がされるが、役職も限られているため、役職に就くことが難しいスタッフで、しかも子育て世代などであればお金の問題は深刻となるであろう。そんなスタッフが自ら学べるよう環境を工夫するとすれば、研修会への参加に対する金額の補助や、資格取得をした際には毎月の給与へ手当として反映(当職場では今のところ叶ってはいないが)などが一助になるのではないかと考える。しかし、このようなことを実現するためには、少なくとも経営者との交渉が間違いなく必要となる案件であることから、実現にはハードルが高いと思われる。

理学療法士のお金については国の社会保障で成り立っており、現状、国が節約したいと思っている以上、理学療法士の賃金が大きく上がることは難しいと考える。この問題は社会保障という枠組みの中で働く理学療法士全体の問題なのかもしれない。

今回のまとめ

今回、マズローの欲求5段階説の下層にあたる生理的欲求と安全欲求に焦点を当てた。私も含め、人間は環境に左右される生き物であり、下層にある欲求が満たされているという基盤があることで成長しようとするモチベーションが高まりやすい。そんな人間の根源的な欲求を満たすことに目を向けるのも必要ではないだろうか。

次回は、社会的欲求など、より上位にある階層の欲求について考えていきたいと思う。

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まめた

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おっさん理学療法士はこう考える

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