こんにちは、まめたです。
前回の記事の”『何を言うか』ではなく『誰が言うか』“では、他者に影響を与えることができる人について書いた。そもそも他者に影響を与えることができるような『パワー』を持っていないと、伝えたいことも伝わらないという理屈である。
その一方で、他者に何かを伝えようとする時、演出の仕方で相手の反応はプラスにもマイナスにもなる。今回はそんな『演出』の仕方について書いていく。
『演出』のための考慮すべき点
『演出』といっても状況によって演出の仕方は変わる。演出のために考慮すべき点について考えたい。
相手を知る
大切なことは、相手がどんな人物かを把握しておくことである。私が以前受けた研修の講師は、部下ごとに詳細(例えば、「仕事において大切にしたいこと」など)を記録していると言っていた。私はそこまでの詳細を記録している訳ではないが、相手の性格など配慮しておくべき点はあると考える。例えば、性格が慎重なタイプであればリスクを漏らさず伝えることや、計画の全体を伝えるなど、相手が不安になりやすい要素を極力排除できるようにすることが重要である。
場所の設定
なるべく個室を準備しておき、他者の目を気にせず話できる環境を準備してもらいたい。ただし、1対1での対応はあまりお勧めしない。理由は相手にとってイヤなことを伝える時は特にである。伝えた内容がねじ曲がって伝わることもあるため、自分を守る意味でも可能であれば3人で話することを検討してもらいたい。
以前スタッフとシビアな話を1対1でする時に、スタッフの所作が怪しいことがあった。私はスマホで録音されているのではないかと疑ったことがある。それはあくまで疑いであり真相は分からないが、このご時世であれば録音されるリスクは0とは言い難い。皆さんも気をつけていただきたい。
伝えるタイミング
相手に伝わることが重要である。朝一番や、次の予定が迫っている時は避ける。落ち着いて話ができ、質疑応答も含め、相手が内容を咀嚼できる程度の余裕は必要だ。ただし、至急性がある場合はその限りではないことも付け加えておく。
誰が言うか
前回の記事でも伝えたが、『誰が言うか』はとても重要である。例えば、日頃の業務についてであれば、外来の中間管理職である私から伝えても問題はないだろう。しかし、重要な内容(例えば外来部門から入院部門への異動など)であればより上の上司から伝えた方が良いと考える。
『演出』のポイント
物事の視点を変える
人は自分の良くないところを指摘されると、マイナスな気持ちになりやすい。そのため、私は前向きに伝えることを心がけている。
例えば、後輩から先輩Aに対して、「話しかけにくく、聞いてもあまり教えてもらえない」といった意見があがったとする。これを先輩Aに対してそのまま伝えると「後輩が話しかけづらいみたいで、聞いてもあまり教えてくれないって言ってたから、しっかり教えてあげて」となるだろう。これでは後輩も気まずく、言われた先輩も「こっちは忙しいのに、聞きたいことがあるなら自分で聞きにくれば良い」となりかねない。
そのため、私であれば「後輩が分からないことがあって困っているようだから、声をかけてあげてくれないか」という趣旨の内容で話をするだろう。もちろん、日頃の先輩・後輩の関係性もあるため、これが必ずしも正解とは言わない。そもそも話かけにくい要因は何かを分析し、要因の根本に対してアプローチしていくのも必要であることも付け加えておく。
マイナスではなくプラスに目を向ける
人に対してあまりメリットのない話をする時は十分な配慮が必要だと考える。
例えば、ある入院部門のスタッフが看護師との関係性が悪く、チーム医療に向きにくい人材であるため、入院部門から外来部門へ異動となったとする。その際、スタッフへ「看護師との関係性が悪いから外来に異動になった」と伝えては、異動先の外来部門が島流し先のように思われてしまう。それはスタッフにとっても外来部門にとってもマイナスに働く要素が大きい(本人の成長をとことん考え、異動の理由を伝えるという結果になったのであれば異論はないが)。
そのため、私であればリハビリテーション課の長に「入院部門で培った術後のリハビリテーションの知識・技術を外来部門で発揮しながら、入院と外来の連携を高める役割を担ってほしい」というような趣旨の内容を伝えるだろう(連携を盛り込んだ理由は、入院部門でもそこに課題があったからである)。ただし、嘘をつくことはよくない考える。少しでも要素があることを少し大きく言うというニュアンスである。
まとめ
今回、『演出』の仕方などと大層なことを書いたが、相手をみてその人に合わせた伝え方の工夫をすることが大切であるということである。記載した内容はあくまで一例であり、人によっては、良くないところをはっきり伝えた方が良いことも多分にある。
この記事を書きながら、正解はないが成功した事例を共有する場があると、管理職としての引き出しが増えるなと思った次第である。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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